FIA、F1「ペナルティ」と「ドライビングスタンダード」ガイドラインを初公開―透明性と一貫性の新時代へ

FIA（国際自動車連盟）は2025年6月、F1を含むフォーミュラカテゴリーの裁定透明性向上を目的に、これまで非公開だった「ペナルティガイドライン」と「ドライビングスタンダードガイドライン」を初めて一般公開しました。ファンや関係者がレース裁定の根拠をより深く理解できる画期的な一歩となっています。

◆◆ ガイドライン公開の背景と目的 ◆◆

・長年“ブラックボックス”とされてきたF1レース裁定の透明化を目的に、FIAは内部運用資料だった2つのガイドラインを一般公開

・「ペナルティガイドライン」は10年以上前から、「ドライビングスタンダードガイドライン」は2022年からF1で運用されてきたが、いずれも一般公開は初めて

・これらは公式レギュレーションではなく、スチュワードが公平かつ一貫した裁定を下すための補助資料として機能

◆◆ ドライビングスタンダードガイドラインの主な内容 ◆◆

・オーバーテイク時の内外側の基準、シケインやS字、トラックリミット、ブロッキング、危険な復帰、セーフティカー時の対応など、さまざまなレース状況での行動規範を明文化

・2025年版はF1ドライバーやチームとの協議を経て、特にカタールGP後の会合で大幅に見直し

・下位カテゴリーにも展開され、フェアで安全なレース文化の統一を目指す

◆◆ ペナルティガイドラインの主な内容 ◆◆

・約100種類の一般的違反行為を分類し、それぞれに推奨されるペナルティ内容とペナルティポイント（PP）の付与目安を明記

・スチュワードには状況に応じた裁量が認められ、推奨範囲（range）が設定されている

・ペナルティポイントは12か月間で累積12点に達すると自動的に1戦出場停止となる

◆◆ 今後の展開とF1界への影響 ◆◆

・ガイドラインは今後もドライバーやチームとの協議を通じて継続的に改訂される予定

・透明性と一貫性の向上により、ファンやメディアもレース裁定の根拠をより明確に理解できるようになり、F1だけでなく他カテゴリーにも波及効果が期待される

FIAによるガイドラインの初公開は、F1界における裁定の透明性と一貫性を飛躍的に高める大きな転換点。今後も継続的な見直しと他カテゴリーへの展開を通じて、よりフェアで予測可能なレース運営が期待されます。